報道されないアメリカ
ニュージャージー
                                制作年月日平成19年6月1日
経済の実態
               
現在のニューヨーク市内の通りには新車、高級車が溢れ、高層ビルがあちこちに建てられ、毎週週末には何処へ行っても夜遅くまで通りが人で溢れています。
またアメリカ全体をみても家の新築ブームが続き、小売指標が毎年上がり、ハイテク産業やインターネット関連の産業からはどんどん20代の億万長者が現れ、株式市場は年々 高値の記録を更新し続けています。
この国の中流以上の人々は家族一人一人がパソコンを持ち、広い家には大型プラズマテレビ、大型冷凍冷蔵庫をはじめとして、ありとあらゆる最新の電化製品を揃え、季節になれば休暇をとって家族全員で旅行にでかけるなどして大いに生活を楽しんでいます。
この国は経済的な面に於いては長年好景気を維持しているように見えますが、ちょっと裏に回ってみると表面上見えていた姿とは全く違った姿が浮かび上がってきます。
人々は家のローン、車のローン、家具のローン等の支払いに追われ、家の手入れ、子育てに追われて夫婦揃って全く余裕のない毎日を送っているのが現状です。
それと同時に言える事は、多くの家庭にとって貯蓄に回せるだけの金銭的な余裕が殆どないということです。
事実殆どのアメリカ人は、貯蓄よりも借りているお金の額のほうが大きいのです。
アメリカはついこの前までは貯蓄率が世界一でしたが、今では貯蓄額は先進国の中では最低です。
1930年代にはアメリカ国民の4分の3以上は借金もせず、貸借料も払わずに自分の土地を所有していましたが、1990年代になると、自分の土地を所有するアメリカ人は10パーセントに満たなくなっています。
連邦会計検査院によると平均的アメリカ人が何らかの形で払っている税金は、全所得の48パーセントにのぼるそうです。
1987年を境にしてアメリカの家庭は財産よりも借金のほうが多くなってしまい、以来借金の額は大きくなる一方です。
平均的アメリカ人は、段々貧乏になっていっているのです。
この借金の額の積み重ねが近年うなぎ上りに増える個人の破産に、特に中西部の自立農業経営者の破産申告が激しいのですが、結びついていってるのです。

1998年の数字ですが、連邦政府、州を始めとする地方政府、個人、企業の負債総額の合計は、控えめにみて$31.7トリリオン((380兆4千億円)になります。
一方アメリカの流通通貨の総額は$401ビリオン(48兆1千2百億円)と言われています。 その上アメリカの所有する資産の総額は、負債の額に達しないのです。
こういう状態が続くとなるべく早く少しずつでも負債を返すようにしていかないと、根の深い深刻で慢性的な問題が発生する事が明確に予想されます。

3種類の問題が発生することが考えられます。
一つは物の値段の上昇が続く深刻なインフレです。(政府は負債を支払うためにどんどん紙幣を印刷します。ーこれは既に起きています。)
アメリカのインフレは一時ほどではありませんが、それでも確実に続いています。
特に不動産の値段は10年前と比較して2倍になっています。

2つ目はローンの支払いが出来なくて多くの人が自分の家、車、貯蓄や事業を失います。(個人破産の申請が増えます。ーこれも既に起きていて、申請の数が毎年記録的に増えています。)
無担保のローン、つまりクレジットカードの使いすぎによる支払いが大きすぎ、 毎月の支払いが滞っている人を助けるという名目で、負債整理若しくは負債解決を行う新しいビジネスが全米に広がり会社が林立しています。
利益目的が主ですが非営利組織もあり、ラジオの宣伝、電車内の広告等を使って積極的な活動を展開しています。
アメリカのクレジットカードの利子は、日本のサラ金より高い年利20%から30%というのが普通ですから、元金の返済どころか利子分の支払いが精一杯という人が多いのです。
 
3つ目はこの両方が同時に起きる、スタグフレーションという現象です。
この3つのどれが起きても、一番大変な思いをするのは一般の市民なのです。 
その一つの例として1929年10月24日のウオールストリートの株の暴落に端を発した世界大恐慌においては、失業率が30%にまで及び一番深刻な打撃を受けたのはアメリカの国民でした。 別のページで紹介しますがこの恐慌において、お金持ちは全く損害を受けていないのです。 
 
話は飛びますが一般にはまだ知られていませんが、経済学者の間では暗黒の木曜日に端を発した1930年代の大恐慌は連邦準備委員会が、わざと起こしたことが通説になっているのです。
ノーベル賞を受けた経済学者ミルトン・フリードマンの1997年の言葉です。
”連邦準備委員会が1929年から1933年の間に、3分の一の通貨を減らしたことが 大恐慌の明白な原因である。”

いつの世も一番大変な思いをするのは、善良で朝から晩まで働いて人生を終わってしまうような一般市民だというのは、洋の東西、年代の新旧を問わず同じなのかもしれません。
でもそれではいけないですよね。
善良で朝から晩まで働き尽くめの一市民と自認する私としては、声を大きくして叫びたいのであります。

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